自転車を使う人は老若男女多数。健康のため、環境のため、ガソリン代も交通費もかからない自転車は通勤や趣味などで最近は若い女性にも大変人気が高まっております。
そんな自転車熱が高まる一方で、自転車のマナーについて再確認すべきという意識も高まってきており、自転車の交通ルールについて、教習所に行くまで教わる機会がないことは、おかしいと思うという人々も増えてきているようです。
現在日本では法律上の当該免許に対する効力はないので、きちんとした交通ルールを学ぶ機会も少なく、誰もが「とりあえずまわりと同じように」、もしくは「自由に」走っているのではないでしょうか。
●自転車走行の現状
まず圧倒的に多いのが歩道を走る自転車。そして道の逆走が挙げられます。
都心で実際調べてみたところ車道をきちんと走っている自転車は僅か19%という結果になりました。
もっと詳しく見ると、携帯片手に自転車に乗っている若者や音楽を聴きながら走っている人、傘を片手に・・・なんて人が多くみられました。周りがしているからと正しい知識をつけずに周りと同じように危険走行している人が多いようです。これでは歩行者を巻き込んだ重大な事故をも起こしかねません。
●自転車免許制
実は年々増加している自転車の交通事故を懸念して、小学生・中学生・高校生・高齢者を主な対象に東京都荒川区が2002年7月25日に自転車免許制を導入し、一定の講習・実技を受けると免許証が交付されるという取り組みを行っています。
荒川区以外の自治体でも少しずつ自転車免許制は広まっている模様です。
【自転車免許証制度のある自治体】
・新潟県新発田市
・栃木県栃木市
・栃木県佐野市
・旧埼玉県北埼玉郡騎西町
・東京都足立区
・東京都荒川区
・東京都町田市
・東京都武蔵村山市
・京都府福知山市
・大阪府池田市
・大阪府門真市
(兵庫県警が制度を導入しており、県下各自治体に導入を促している。免許証と修了証の2種を交付している。)
・尼崎市
・加古川市
・愛媛県新居浜市
・福岡県北九州市
しかし、公安委員会が交付する免許とは違い、各自治体・警察署が独自に発行するもので法律上の当該免許に対する効力はありません。
それでも正しい自転車ルールを学ぶことはとても重要になってきます。
警察庁によると、昨年発生した自転車事故は12万1040件で、このうち603件は死亡事故。自動車やバイクとの事故は減っているが、歩行者との事故は2003年の約2300件に対し、13年は約2600件と増加しています。
昨年成立した改正道交法は、信号無視や酒酔い運転など悪質な違反を繰り返した自転車の運転者に安全講習の受講を義務付け、受講しなかった場合には5万円以下の罰金を科すようになりました。
現在まだまだ自転車の安全教育の機会は少なく、正しい交通ルールを守っている人が少ないのも現状です。
加害者、被害者を作らないためにも一人一人が進んで交通ルールを学んでいく必要があるのではないでしょうか。
自転車の交通ルール(警察庁ホームページ)